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 小池寿子著『「死の舞踏」への旅』(中央公論新社)
 ISBN978-4-12-004101-3

 を読みました。



 ご存じない方々のためにご説明申しあげます。

 小池寿子先生は、西洋美術史の研究者でいらっしゃいます。

 その研究対象というのが…「死体」なのです。


 あくまで絵画、壁画、彫刻等で表現された死体図像のことではあるのですが。

 そう、所謂「死の舞踏(ダンス・マカーブル)」を代表とする、「死」をメインテーマとした作品群です。

 あまり気持ちのいい趣味ではありませんが、向こうの中世の頃にはそれなりに市民権を得ていたモチーフであるようなのです。

 で、その小池先生が、ヨーロッパを縦横に駆け巡り、壁画を撮影したり文献を漁ったりして、ある文明圏がいかなる方法で「死」を自らに取り込んでいったのかについて思いを馳せる、というのがこの本のだいたいの内容です。
 
 紀行文スタイルで書かれていますので大変読みやすく、研究者の生の息づかいが伝わってくるような、それでもって自分も付いていって一緒に研究しているような錯覚にも襲われます。英語さえ出来ないのにね。


 なんでまた、と思われる向きもあるかもしれません。

 なんでそんな本を買って読むの?と。

 これに対する答えは、以下のようになりましょうか。

 「研究分野をその身1つで切り開こうとする研究者の姿勢は、それだけで大変好もしくあり、また羨ましくもあるわけで、その研究方法や議論の組み立てはひとまず置いておき、どうやってそこにたどりついたか、そこにいたるまで何があったか、もし教えてもらえるのであればとても興味深い」

 早い話が「興味があったから」ということです。

 小池先生の著作は、この興味にとても合致しているのです。



 そして、先生はただものではありません。

 最後まで紀行文として幕を閉じるのかと思われた終章、思いがけぬ謎解きに遭遇。

 ちょっと鳥肌が立ちました。
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テーマ:読んだ本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

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Author:ダルニ
東大阪→高松市在住。書店員
年上の嫁と小六の息子との3人暮らし。

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