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千とひとつの宝物:プレイレポート

千とひとつの宝物箱



 大人が「ここで遊んではいけません」と口うるさく言う場所ほど、子供にとっては魅力的だったりします。


 
 私の思い出で語ると、近所の土建屋が捨てた土の山を駆け上がっては転がり落ちて遊び、親に怒られたものです。

 あと、細いあぜ道の上を自転車で走り抜けようとして、バランスを崩して自転車ごと田んぼに落ち、泥まみれで帰ったことも。

 「けいどろ」の最中、勝手に近所の家の庭に入って、犬小屋でそこの主(大きくて臭いコリー犬でした)を撫でながら息をひそめたり。


 
 
 その時は夢中であそんでおり、注意されれば「大人はうるせえな」と適当に聞き流していたわけですが、物わかりのいい器量の小さいオッサンに堕落した現在、「なんであんなことに夢中になって遊んでたんだ」と不思議で仕方がありません。

 いかんなあ。

 いや、いかんのかなあ。

 
 幼少の自分が危なっかしくてけしからん(しかも洟たらしてて汚い)。
 
 そう思う反面、魂はロックと寄り添ってしょうもないアモラルや拝金主義と戦う毎日を送りたい。


 子供な自分を否定しつつ、是としたいところもある。そんな矛盾。

 
 ただ、矛盾が大人の占有物だとも思いません。

 子供の頃だっていろいろ矛盾してました。
 
 子供だから矛盾しててもいい、とどこかで甘えてたように記憶しています。

 
 で、その後思春期に入り、自分の軸のぶれ加減にひととおり悩み、解決はしないまま年だけを取り、成長しないままあきらめのような達観で落ち着いておるわけですが。


 つまり、「矛盾なんてきっと生きていく上にはどうでもいい」という達観です。

 もちろん一本筋が通ってる人、軸がぶれない人は傍から見ててカッコいい。が、それはそれ。

 
 生き延びることが何より大事なのです。

 

  —・—

 
 今回紹介する「千とひとつの宝物」もそんなゲームです。欲張ると死ぬので程々に。

 適当なところで切り上げ、勇気を持って生き残る道を選びましょう。

 
 たとえ小さくまとまっちゃったって、勝てばいいのです勝てば。
 
 
ルールの説明

 私が職場ボドゲ部の部員達に説明をしています。
 
 参加メンバーは、私の他にやすたかさん、鏑木くん、こけしさん。



 私「千とひとつの宝物、というゲームです。お願いしまーす」

 3人「「お願いしまーす」」

 私「アリババ(子供)とそのおともだちがこわーい泥棒のアジトであるところの洞窟に忍び込んでお宝を失敬しちゃおう、というゲームです。原作では捕まると八つ裂きにされて、肉片が扉口につり下げられますが、そんなことはありませんよキッズゲームなんで」


千とひとつの宝物初期

 私「こんな風にお宝があります。最初に好きなところにコマを置いてもらいます」



千とひとつの宝物例示

 私「こんな感じです。で、自分の番がまわってきたらこのコマを動かします。動かすことによって、下のタイル(お宝)が手に入ります」


千とひとつの宝物タイル

 私「お宝には3種類あります。左から1、2、3。この数がそのまま点数になります。最終的に点数が多い人が勝ちです」
 私「そしてコマを動かすのもこの下のタイルのお宝の数です。1のところにコマがあったら一歩。3のところにコマがあったら三歩、好きなところに進んで下さい」
 私「移動とタイルの獲得が終わったら、裏むきに積んだタイルの山から新しくお宝タイルを補充します。中には壁が描かれている物もあるので、向きを好きに決めて置いて下さい。すでにお察しのことと思いますが、壁のところをコマは通れません」


千とひとつの宝物タイル盗賊


 私「この補充のとき、盗賊の顔が描かれたタイルが置かれたら、遠征に行っている盗賊のおっちゃんが一歩ずつ進みます」
 

千とひとつ帰還

 私「おっちゃんコマがここまで来てしまうと中に残ってたプレイヤーは盗賊に見つかってお宝没収。失格となります。ある程度取ったところで危険を察知して洞窟から出ましょう」

 鏑木「出るのはどうするんですか?」

 私「出るのはね、この入口のところまで戻って、こっちからでもこっちからでも進める歩数使って出られます。でもね、このおっちゃんの顔のタイルもギリギリこのマス数しかなかったと思うから、結構粘ってもいけますよ」

 鏑木「ほう」

 私「プレイヤーが全員洞窟から出るか、盗賊が帰ってきたらそこでゲーム終了です。タイルのお宝の数を数えて一番お宝を持っている人が勝利です。

 やすたか「タイルが置かれたら、ってことは、この盗賊の描かれたタイルを取っても関係ないんやね」

 私「そうです。単に1とか2とか。出たときだけ効果があるのであとは通常のタイルとして扱います」

 こけし「なるほど」

 私「あ、あと、他の人のコマのいるところには止まれませんので注意して下さい。でも通り過ぎることは出来ます。それからもし壁で防がれてどこにも動けない場合、洞窟内の好きなところにワープできます」

 鏑木「二歩のときに一歩だけ進むってのはだめなんですか」

 私「だめです」

 
 
プレイ開始


 ルール説明も簡単に終わるので、サクっとプレイ開始。
 
 
千とひとつ1

 序盤から出入口付近のこけしさん(ピンク)を苛める鏑木(オレンジ)&やすたか(青)。

 ひどい。超ひどい。

 
 こけし「え、これ一歩しか進めないから、もう洞窟出るしかないってことですか?」

 私「お、ちょっと待ってね(ルールブック確認)……いや、もうワープして下さい。みんな意地悪やな」

 こけし「うーん、じゃあここ!」


千とひとつ2

 私「あっ、そこ!?」

 隣の3タイルを狙っていた私(緑)のささやか夢を摘み取るこけしさん。

 えぐい。超えぐい。
 

 子供向けなのになんて殺伐とするゲームなんだ……。

 私の心に暗雲が立ちこめる中、メンバーはケラケラ笑っております。鬼か。
 
 
  —・—
 
 序盤はなかなか盗賊が出ません。

 
 やすたか「じゃあ1、2、3」

 こけし「1、2、3……」

 私「いや行けないよ」

 鏑木「あ、そこ壁」

 こけし「あ、そっか。じゃあ1、2、3」

 やすたか「あ、取られた。しまった」


 こんな感じでしばらくは淡々と進みます。

 
 鏑木「これ、あれですね。1のタイルの方が小回りが利く感じですね」

 私「動いてめくって次のタイル3とかやったら戻ればいいしね」

 
 そう、この「行って戻る作戦」に目を付けた私は、動くたびに次にめくられるタイルを取れるよう踏むタイルを選んでいたのでした。

 私「1、2。次は……おっと3!これはおいしい」

 他の3人は歩数が足りなかったり多すぎたりで踏めないのです。

千とひとつチャンス

 私「やったねー」

 やすたか「(次の手番)あ、へんな置き方してしまった」

 私「な、ななっ!!」

千とひとつ妨害

 まさかの壁出現!

 私「マジか」

 鏑木「かわいそう」

 私「いや、まあそういうゲームですよこれは」

 そう、そういうゲームなのです。

 こんな風に私に対して全力で妨害し、ケラケラ笑うメンバーでした。鬼です。

 
 
盗賊が迫る

 
 私が3点タイルへの道を防がれた直後、一方では入口付近にいたこけしさんがとんでもない暴挙に出ます。

千とひとつ3

 こけし「じゃあこう置きますね」

 鏑木「あ、逃げられへん」

 やすたか「えっ?」

 大丈夫なのかこれ、と思う反面、良いブログのネタが出来たと内心喜ぶ私です。

 こけしさんグッジョブ。

 
 とは言え僕そろそろ出たいんですが……。
 

 そしてその後どんどん連続でめくられるおっちゃん(盗賊)タイル。

 鏑木「おっちゃん来たー!」

 私「やばいやばいやばい」

 やすたか「どうやって出ようかなあ」

 鏑木「一回ここに止まらないといけないですからね」

 私「何をしてくれてんねん。どういうことやねん」

 こけし「こんなことになるとは」

 
結末
 
 
 とにかく洞窟の入口を開ける、という急務の課題が我々に浮上する中でも、しっかり最深部で私のコマをブロックするやすたかさん&鏑木くん。

 いやいや、おかしい!そんなことやってる場合じゃないよ!

 私「ちょっと。ちょっとどういうことやねん」

 ケラケラ笑う3人。こ、こわれてやがる……。
 
 
 そして、ああ遠い。出口が遠いよ。

 
  —・—

 結末は意外に早くやって来ました。


 鏑木「あ、おっちゃん!」

 やすたか「あ」 
 
 最後のおっちゃんタイルがめくられてしまいました。

千とひとつ4

 かくして盗賊は帰還し、全員お宝没収!

 
 私の緑コマが最深部で困っているのが見えますね。


 私「と、いうことは……、はい、全員負けです!うわーっ!こんなことあるんか……」  
 
 ちなみに、一同大爆笑です。

 
 こけし「あともう一歩だったのに……」

 鏑木「これ蓋したらいけなかったですね」(←1枚目に蓋をした犯人)

 
 今回は面白かったから良かったものの、結果だけ見ると最悪でした。

 
 キッズゲームじゃなかったら全員死んでるし。アホすぎる……。

 せめて自分だけ生き延びられるように、出てから蓋するとかね。

 次はそういう作戦でいきましょう。

  —・—

 鏑木「これいいですね。シンプルで分かりやすい」

 私「そうやね。まだ子供と遊べてないけど、(注:アラビアンナイトの世界観がいまいちハマってないようです。残酷だし)そのうち遊びたいわ」



 『千とひとつの宝物(1000 und ein Schatz)』 2010:マルコ・トイブナー:HABA:2〜4人:5歳以上

このゲームの評価
    …AA
(「大人が本気で遊んでもそれなりに楽しめるキッズ向けボードゲーム」。
 これって意外と少ない。
 キッズゲームは子供が得意な記憶系や認識系に偏りがちです。
 でなければ派手なアクションかバランス系。確かに見た目キャッチーで盛り上がるものの、飽きも早いですよね。
 このゲームはしっかりとボードゲームでありながら、キッズゲームであるという奇跡のバランス。
 コマを動かしてめくられたタイル置くだけなのに、「ダイヤモンド」的スリルが味わえます。
 でプレイ時間も実質15分ほどというお手軽さ。妨害もそんなにキツくないですしね。
 初心者(特に女子)受けを狙うなら最高のスペックといえます。
 「ちょっと遊ぼう」と言って出しやすいゲームは本当それだけで素晴らしい。良作!)


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Author:ダルニ
東大阪→高松市在住。書店員
年上の嫁と小六の息子との3人暮らし。

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